データ&記事
<三菱UFJ国際投信 チーフファンドアナリスト 松尾 健治> ──米国でSECルール(案)が2018年4月18日に発表されました。 その前身であるオバマ政権によるDOLルールは、米国の証券会社による投信・保険販売やアドバイザー・ビジネス、そして投信そのものをも大きく変化させ、日本でも金融庁が参考としています。 後継のSECルールは、個人投資家全体を対象としており、ブローカー(投信・保険の販売会社)に対してかかる規制であるため、日本の投信・保険等の販売会社にとっても、より重要で関心の高いものでしょう。 DOLルールと新たなSECルールとの違い、今後の日程や注目点などを分かりやすく整理し、解説します。
フィデューシャリー・デューティの経済学① 顧客本位の業務運営」にみる日米の現状と課題
<イボットソン・アソシエイツ・ジャパン 山口 勝業> ──昨年3月末に金融庁が公表した「顧客本位の業務運営に関する原則」は、いわゆるフィデューシャリー・デューティを明文化したもので、多くの金融機関がこれを踏まえて遵守宣言を公表しています。 筆者は過去2年、本誌7月号で毎年このトピックで論考を本誌に発表してきました。 これらのフォローアップとして、日本だけでなく最近の米国での業界動向も踏まえて、経済学からの示唆を得ながら論点を整理してみました。
「奇跡の投資」というわけではなく、普通の人にもできる資産作り
<John Rekenthaler Director ディーラーとブローカーの違いとは or Research, Morningstar Inc., ディーラーとブローカーの違いとは ディーラーとブローカーの違いとは > ──920万ドル(約10億円)もの遺産を残していた法律事務所の秘書。 特に高給でもなく、地味な暮らしをしていた彼女がなぜそんなに多くの資産を作れたのでしょうか? ごく普通の人でまわりの誰も知らなったけれど、実は億万長者だった!という人々の秘密を解き明かします。
米国で証券会社の投信・保険販売やアドバイザー・ビジネスが大きく変化!
<三菱UFJ国際投信 チーフファンドアナリスト 松尾 健治> ──米国では、独立アドバイザーやリージョナル・ブローカー・ディーラーの時代が到来しつつあるようです。 大手の販売金融機関から独立したり、アドバイザーのための子会社を設立するなど、金融機関内のアドバイザー、ブローカー、ディーラーが移動しています。 独立アドバイザーが定着していない日本でも、中立的なアドバイスが必要であるとの声が高まっています。
米国Morningstarが サステナビリティ世界地図を発表
──米国Morningstar が世界46ヵ国のサステナビリティの特性を調査し、比較できる形での評価を行いました。 その結果、サステナビリティは富める先進国だけのものではなく、新興国市場にも欧州並みESG 基準を満たす国が出現していることが分かりました。 サステナビリティ総合、ESG 総合、の評価のほか、コントロバーシー(ESGに影響する諸問題)、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)、サーマル・コール(化石燃料―主に一般炭―依存度)の部門ごとの評価結果も公開しています。
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2017」
“ブレない信念・戦略を持つ”投資信託、投信会社が支持される 投資信託について、一般投資家の視点で情報を集め、自分で考え、実際に投資を行ない、ブログを書いている人達。いわゆる「投信ブロガー」は、「投資信託を買おうか、どうすればよいか」と考える新たな投資家、特に若い投資初心者にとって、今では金融機関のwebサイト以上に参考にされている。そんな投信ブロガーが投票し、良いと考える投信を表彰する「投信ブロガーが選ぶ!Fund ディーラーとブローカーの違いとは of the Year」。運営も投信ブロガーを中心としたボランティアの運営委員が行なっており、利害関係や営利目的は全くない。その分、投資信託はコストやパフォーマンス、情報開示、運用会社の零細投資家に対する姿勢などの観点で容赦なく評価される。その中立性が注目され、会場には160人を超える個人投資家や投資を検討中の参加者が有料のチケット(会場費、トロフィーなどに充当)を買って集まった。 11回目となる2017の表彰式が、1月13日に東京大井町のきゅりあんで開催された。今回の有効投票者数は198人、各人5票を2017年10月末までに設定された投信の中から自分が「これだ!」と思う投信に投票する。5票まとめて1つの投信でも、票を分けて複数の投信(最大1票ずつ5つ)に投票してもよい。2017年はつみたてNISAが18年1月から開始されることを受け、低コストのパッシブ投信が多数設定されたこともあり、結果は下馬評通り上位の投信の顔ぶれが大きく入れ替わった。トップ10のうち6本が前回と入れ替わる激戦だ。
2020年7月31日 日経新聞朝刊にて、
RIAが富裕層への資産運用助言手段として登場
米国でRIAは職業名称で「RIA(Registered Investment Adviser)」の略です。
米国での RIA は 61,500 人の事業者があります。(2020年)*1
日本では残念ながら投資助言業登録984の内、助言業のみの登録は431の事業者しかいないのです。(2019年11月末時点)*2
*1 2020年1月5日 バロンズ・ダイジェスト
『投資アドバイザーは「独立系」であっても利益相反があり得る。』より
投資アドバイザー業としてのみ登録者数を抜粋
*2 一般社団法人 日本投資顧問業協会「投資顧問」より
仲介業からRIAへ移行が進む
米国では、個人投資家層のすそ野を広げる過程で、(ディーラーとブローカーの違いとは 中略)
RIAといった非伝統的な対面チャネルが果たした役割が大きい。
出所:資産形成支援のあり方を考える勉強会
楽天証券株式会社、ブラックロック、バンガードら
RIAとIFAの違いは?
「RIAとIFAって何が違うの?」といった声も多くいただきます。
両者とも同じ独立系アドバイザーに属するものではありますが、
報酬体系が大きく異なるものだと私たちは考えています(原則)ディーラーとブローカーの違いとは 。
日本のIFAの基本形態は証券外務員で、(中略)販売手数料、(中略)信託報酬等が中心である。
出所:独立系フィナンシャルアドバイザー(IFA)に関する調査研究
みずほ総合研究所株式会社
「IFA について日米英で概観を比較すると、形態には違いがみられる(図表 5)。
日本の IFA の基本形態は証券外務員で、投資信託の販売等を通じた販売手数料、
投資信託の預かり資産残高に応じた信託報酬等が中心である。
一部の IFA 法人では投資助言業・投資顧問業登録を行って投資一任勘定を提供している。
米国では、登録外務員型の独立投資アドバイザーと投資顧問業型の RIA がある。
後者のRIA は投資一任勘定の提供に基づくフィーが収益の中心となっている一方、
前者の独立投資アドバイザーは、日本の IFA と同様に
投資信託など個別金融商品の販売手数料や投資信託の預かり資産残高に応じた収益が中心である。
また、兼業型のハイブリッド RIA の場合は両方の形態を扱っている。
英国の IFA ディーラーとブローカーの違いとは は、顧客からの販売手数料や資産運用会社からの信託報酬等の受取はできず、
顧客からのアドバイスフィーに依拠する構造となっている。」
(補足)日米欧の担い手
日本 IFA (証券)外務員
米国 IC 登録外務員
米国 RIA 投資助言業
英国 ディーラーとブローカーの違いとは IFA 独立投資アドバイザー
米国では、手数料収入に頼らず、残高連動型のフィーを主な収益とし、常に顧客の立場に立ってアドバイスを行う(中略)小規模投資顧問業者(RIA)の台頭が見られる
出所:資産形成支援のあり方を考える勉強会
楽天証券株式会社、ブラックロック、バンガードら
米国のRIAでは顧客の立場に立ってアドバイスを行い、顧客の資産残高に連動したフィーを収入とするフィーベース型ビジネスが台頭しています。
顧客の資産残高に応じてアドバイザーの収益が決定するので、顧客の資産が減るとアドバイザーの収益も減ってしまいます。逆に顧客の資産が増えるとアドバイザーの収益も増えます。
つまり顧客とアドバイザーが同じ方向を向く、WIN-WINの関係が築きやすいスタイルなのです。
ブローカー・ディーラー(RIAとの兼業なし)がアドバイザーの名称を使用することを制限する
出所:独立系フィナンシャルアドバイザー(IFA)に関する調査研究
みずほ総合研究所株式会社
「2019 年 6 月 5 日に SEC が公表した Final 版の”Regulation Best Interest (Reg BI)”によれば、ブローカー・ディーラー(RIA との兼業なし)が「アドバイザー」の名称を使用することを制限する、としている」
RIA JAPANという選択肢
「親に勧められるモノしか、勧めない」
「自分がお客様だったら、こんなサービスがほしい」
ゲームストップ株騒動とペイメント・フォー・オーダーフロー
米国の株式市場では、コロナ禍の下「ステイホーム」が推奨される中、取引用アプリのダウンロードや取引手数料などがすべて無料と宣伝する証券会社ロビンフッド社を通じて頻繁に売買を行う個人投資家が急増している。そうした中で、2021年1月下旬、投資家向けのネット掲示板 Reddit への投稿内容に刺激された一部の個人が、空売りファンドに対抗するためとしてゲーム小売りチェーンであるゲームストップ社の株式に大量の買い注文を集中させるという事態が生じた。
ところが一部の投資家は、ゲームストップ株を大規模に空売りしていた空売りファンドが買い注文の急増で高騰する株価での買戻しを余儀なくされることを恐れた大手HFT(高速取引)業者シタデル社が、ロビンフッド社に対して買い注文を制限するように求めたに違いないと主張して両社を強く非難した。こうした陰謀論とも呼ぶべき憶測が生まれた背景には、シタデル社がゲームストップ株を大規模に空売りしていた空売りファンドであるメルヴィン・キャピタルの出資者であると同時に、ロビンフッド社に対して多額のペイメント・フォー・オーダーフロー(PFOF:payment for order flow)を支払って同社顧客の売買注文を買い取るマーケットメーカーでもあるという事情があった。
ペイメント・フォー・オーダーフロー(PFOF)とは
米国の株式市場構造は極度に分散化しており、NMS銘柄を売買できる取引市場(trading venue)は16の株式取引所市場と代替取引システム(ATS)など50ヵ所以上もある。それら多数の取引の場で表示される最も高い買い指値と最も低い売り指値が情報システムによって集計され、それらの中で最も売り手あるいは買い手にとって有利な価格が、全米最良気配(NBBO:national best bid/offer)として公表される。顧客からNMS銘柄の売買注文を受託したブローカー証券会社は、原則としてその時点のNBBOよりも顧客にとって不利な価格で注文を執行してはならないものとされる。これが最良執行義務(best execution obligation)である。
ブローカー証券会社が最良執行義務を果たすための有力な方法は、ある瞬間にNBBOを示す取引市場へ自社の対当する注文を回送することである。現在の米国株式市場は、ミリ秒、マイクロ秒単位で注文状況が変化する高速取引の場となっている。そこでNBBOを表示する取引市場の変化に対応して、ある取引市場に回送された注文を他の取引市場へと迅速に転送する高度な取引システムが必要となる。そうした仕組みを構築して顧客注文の最良執行の確保を図る手法をスマート・オーダー・ルーティング(SRO:smart order routing)と呼ぶ。
証券会社とは
①委託売買業務(ブローカー業務、ブローキング) 委託売買業務とは、投資家から手数料を受け取って、有価証券の売買注文を証券取引所に伝える業務です。ブローカー業務、ブローキングとも言います。なお、証券取引所とは、上場した株式会社の株式市場のこと。日本には東京、札幌、名古屋、福岡の4ヵ所の証券取引所があり、証券会社の委託売買業務によって、投資家と株式会社が結ばれるわけです。委託売買業務の手数料が、証券会社の大切な収入源となります。 ②自己売買業務(ディーラー業務、ディーリング) 自己売買業務は、証券会社自身が投資家となり、有価証券を売買する業務のことを指します。ディーラー業務、ディーリングとも呼ばれ、証券会社の利益確保と、市場を活性化させるのが目的です。通常、証券会社は、一般の投資家が不利益を被らないように、自己売買基準を設けています。保有できる証券の限度額を決め、資金投入を行なうことで、経営が不安定になることや利害の衝突が起きることを防ぐことができるのです。 ③引受業務(アンダーライティング業務) 国や企業などから有価証券を買い取り、投資家に売る業務が引受業務です。このとき、有価証券の発行元から支払われる引受手数料が収益となります。しかし、買い取った有価証券が売れ残った場合、証券会社が引き取らなくてはならず、損失となるのです。売れ残りのリスクがあるため、特定の証券会社のみしかこの引受業務ができません。 ④募集・売り出し業務(セリング業務またはディストリビューター業務) 募集・売り出し業務は、国や企業などから有価証券を買い取る引受業務とは異なり、有価証券を一時的に預かって投資家に売る業務です。投資家に買ってもらえるように勧誘する委託業務で、有価証券の発行元から支払われる手数料や、引受価格と販売価格の差額が証券会社の収益になります。なお、有価証券が売れ残っても企業などから買い取る必要がないため、リスクを負うことはありません。
証券会社の種類
店舗がある証券会社
店舗がないネット証券
主要な証券会社
国内5大証券
- ①野村證券
- ②大和証券
- ③SMBC日興証券
- ④みずほ証券
- ⑤三菱UFJモルガン・スタンレー証券
ネット証券
- ①SBI証券
- ②楽天証券
- ③マネックス証券
- ④松井証券
- ⑤auカブコム証券
証券会社の比較
手数料比較
約定代金(注文が成立したときの金額)が | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
~20万円 | ~50万 | ~70万 | ~100万 | ~200万 | ~300万 | |
野村證券 | 2,860円 | 1.ディーラーとブローカーの違いとは 4300% | 1.1000%+1,650円 | ディーラーとブローカーの違いとは0.9460%+2,728円 | 0.8800%+3,388円 | |
大和証券 | 最低手数料:2,750円 1.26500% | 0.96800%+2,ディーラーとブローカーの違いとは 970円 | ||||
SMBC日興証券 | 最低手数料:5,500円 1.ディーラーとブローカーの違いとは 265% | 0.990%+2,750円 | 0.8800%+4,950円 | |||
みずほ証券 | 最低手数料:2,750円 1.15500% | 0.ディーラーとブローカーの違いとは 8800%+2,750円 | ||||
三菱UFJモルガン・ スタンレー証券 | ~2,750円: 99.00% | 1.012%+2,090円 | 0.869%+3,520円 | |||
2,751~19万3,000円: 2,750円 | ||||||
19万3,001~50万円: 1.430% |
※「%」は約定金額に対する割合です。 ※大和証券の手数料は、ダイワ・コンサルティングコースの店舗における取引の手数料です。 ※SMBC日興証券の手数料は、総合コースの店舗における取引の手数料です。 ※みずほ証券の手数料は、3サポートコースのうち「対面取引」の手数料です。 ※三菱UFJモルガン・スタンレー証券の手数料は、コンサルティング取引コースの手数料です。 ※手数料は2020年(令和2年)8月時点の金額です。
約定代金(注文が成立したときの金額)が | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
~10万円 | ~30万 | ~50万 | ~100万 | ~200万 | ~300万 | |
野村證券 | 152円 | 330円 | 524円 | 1,048円 | 2,095円 | 3,143円 |
大和証券 | 最低手数料:1,100円 0.88550% | 0.67760%+2,079円 | ||||
SMBC日興証券 | 137円 | ディーラーとブローカーの違いとは~20万: 198円 | 440円 | 880円 | 1,650円 | 2,200円 |
~30万: 275円 | ディーラーとブローカーの違いとは ||||||
みずほ証券 | 最低手数料:1,045円 0.34650% | 0.26400%+825円 | ||||
三菱UFJモルガン・ スタンレー証券 | 店舗による手数料の70%割引 (50万円の場合:2,145円 / 100万の場合:3,ディーラーとブローカーの違いとは 663円) |
※「%」は約定金額に対する割合です。 ※野村證券は現物取引の手数料です。 ※大和証券の手数料は、ダイワ・ダイレクトコースのオンライントレード(現物取引)の手数料です。 ※SMBC日興証券の手数料は、ダイレクトコースのオンライントレードの手数料です。 ※みずほ証券の手数料は、通常プランのインターネット取引(現物取引)の手数料です。
オンラインサービスは、どの証券会社も店舗での取引の手数料よりも安価となっていて、「SMBC日興証券」が最も手数料が安いです。
また、「みずほ証券」の現物取引は上の表のような手数料で比較的高額ですが、ネット信用取引は無料となっています。
次にネット証券の手数料について見ていきましょう。
約定代金(注文が成立したときの金額)が | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
~5万円 | ~10万 | ~20万 | ~30万 | ~40万 | ~50万 | |
SBI証券 (スタンダードプラン) | 55円 | 99円 | 115円 | 275円 | ||
SBI証券 (アクティブプラン) | 0円 (~100万円:838円 / 以降100万円増加毎に440円ずつ増加) | |||||
楽天証券 | 55円 | 99円 | 115円 | 275円 | ||
マネックス証券 | 110円 | 198円 | 275円 | 385円 | 495円 | |
松井証券 | 0円 | |||||
auカブコム証券 | 99円 | ディーラーとブローカーの違いとは198円 | 275円 | 約定代金×0.09%+ 90円(上限:3,690円) |
約定代金(注文が成立したときの金額)が | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
~5万円 | ~10万 | ~20万 | ~30万 | ~40万 | ~50万 | |
SBI証券 (スタンダードプラン) | 99円 | 148円 | 198円 | |||
SBI証券 (アクティブプラン) | 0円 (~100万円:524円 / 以降100万円増加毎に440円ずつ増加) | |||||
楽天証券 | 99円 | 148円 | 198円 | |||
マネックス証券 | 約105円 | 154円 | 209円 | |||
松井証券 | 0円 | |||||
auカブコム証券 | 0円 |
※現物取引・信用取引ともにインターネットでの取引の手数料です。 ※SBI証券の手数料は、インターネットコースの手数料です。 ※手数料は2020年(令和2年)8月時点の金額です。
すべてをインターネット上で完結させるネット証券では、国内5大証券に比べて安価な手数料となっています。
現物取引の表を見てみると、50万円まで取引手数料が無料なのは、「SBI証券」のアクティブプランと「松井証券」です。
SBI証券にはスタンダードプランとアクティブプランがあり、スタンダードプランはひとつの注文に対して手数料がかかるプランで、アクティブプランは1日の約定代金の合計に対して手数料がかかるプラン。1日の取引の回数や取引の金額に合わせて選ぶことが可能です。
「SBI証券」のアクティブプランも「松井証券」も、50万円までは手数料無料ですが、50万円を超えると他社の方が安い場合があります。
ディーラーとブローカーの違いとは
銀行や証券会社などの金融機関が取引する株式、債券、外国為替等の金融商品は、取引所を通じて取引される「取引所取引」と、取引所を介さずに主に専門の仲介業者を通じて取引される「相対取引」の2種類に分類できます。
相対取引はOTC(Over The Counter)が由来で、OTC取引や店頭取引とも言います。定型化された上場商品を扱う「取引所取引」とは異なり、取引内容を自由に設定できるため、融通が利きます。
このように取引所を介さず、各金融機関のディーラー間取引を相対で媒介する金融媒介業者がインターディーラーブローカー(IDB: Inter-Dealer Broker)です。
OTCデリバティブ専門のIDB
現在発行されている利付日本国債(JGB:Japanese Government Bond)には、2年債、5年債、10年債、20年債、30年債、40年債の6種類があります。JGB取引は「現物取引」です。
JGB先物は「デリバティブ取引」の一つです。1985年10月に取引が開始され、現在は大阪取引所(JPX:日本取引所グループ)に上場されています。このJGB先物は、期間10年の「標準物」を取引対象としています。このように、取引所に上場されているデリバティブを「上場デリバティブ」と呼びます。
これに対し、当社で取り扱っている金融商品は相対で取引するデリバティブで、「OTCデリバティブ」と呼ばれています。
金利スワップ
金利スワップはIRS(Interest Rate Swap)の日本語訳で、デリバティブ取引のひとつです。
市場では「固定金利」部分をプライスとして取引し、元本移動は行わず、通常、固定金利と変動金利の差額のみを決済します。金利スワップの元本は金利計算のために使用される元本で「想定元本」と呼びます。
米ドルの場合、米ドル固定金利とSOFR複利を交換する「SOFRスワップ」が主流です。
また、同一通貨の異なる種類や異なる期間の変動金利を交換する金利スワップを「ベーシススワップ」と呼びます。
金利オプション
「スワップション」とは、金利スワップを原資産としたオプション取引のことで、ネーミング通り「スワップ」と「オプション」を組み合わせた取引です。
「キャップ」の仕組みは、将来の金利上昇のリスクに備える保険に似ており、保険料に相当するプレミアムの取引です。キャップの売り手は、金利が設定レベル以上に高くならなければ、プレミアム分が利益になります。
反対に、「フロアー」は、将来の金利低下のリスクに備えるための保険に対するプレミアムの取引です。
ドル円ベーシススワップ
両者が「2年ドル円ベーシスを-40bpで取引」したとすると、米銀Aは、邦銀Bに2年間、3か月毎にSOFR複利と同じ金利でドルを貸出す代わりに、邦銀Bから3か月度に「TONA複利より40bpも低い金利で円を調達できる」ということです。
これはドルのニーズが高いために、邦銀Bにとって、ドル調達にはリスク・フリー・レート(RFR)に含まれない「ドルプレミアム」を払う必要があるということです。
つまり邦銀Bは、ドルをSOFR複利フラットで調達できる代わりに、ドルプレミアムとして円をTONA複利よりも40bpも低いレートで貸し出さなくてはならないのです。
結果、米銀Aは、邦銀が躊躇するような、例えばマイナス0.12%(マイナス12bp)の2年日本国債を買っても十分利ザヤが稼げるのです。
クレジット・デリバティブ
クレジット・デリバティブとは、国や企業のデフォルト(債務不履行:債権の利息や額面金額が約束通りに支払われないこと)のリスクを取引するデリバティブ取引の総称です。その中で最もポピュラーなCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)をご紹介します。
現物取引とデリバティブ取引
現物取引では、決済時に現物と現金を取引します。株式や債券などの有価証券等、その時々の市場の時価で計算された売買代金を受け渡しします。自己資金の範囲内でしか現物を購入できませんし、持っていない現物は原則売却できません。
JGB現物を購入する場合、市場価格である債券価格を考慮した購入代金を支払います。例えば額面100億円のJGB現物を債券価格101円で購入した場合、A銀行は101億円の購入代金を支払います(元本移動あり)。これが現物取引です。
デリバティブとは、通貨、金利、債券、株式などの現物の金融商品から派生した商品のことで、「金融派生商品(Financial Derivatives)」とも言います。デリバティブには、先物取引、オプション取引、スワップ取引等があります。
JGB先物を購入する場合、100億円相当を取引所に支払うのではなく、100億円よりもはるかに少額の証拠金を取引所に預託します(元本移動なし、購入価格と売却価格の差金決済)。売り買い、どちらからでもポジションを取ることができます。
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