流動性リスクと株価リターン
基準価額の変動リスク (*1) を年率2%程度に抑えながら、
年率1.2%程度 (*2) の安定的な投資収益の確保をめざした運用を行います。
*1 価格の値動きの大きさを表します。この値が小さいほど、価格変動リスクが小さく低リスクを意味します。 *2 信託報酬控除後のものです。なお投資収益は、中長期的にめざす目標であって、その達成を示唆あるいは保証するものではありません。
信託報酬の詳細につきましては、「ファンドの費用」をご参照ください。
ニュースリリース
資産形成のお役立ち情報
ファンド情報
マルチアセット・ストラテジーファンド (愛称:なごみの杜)
- 0円(2022年2月10日)
- 0円(2021年8月10日)
- 0円(2021年2月10日)
基準価額・純資産総額の推移
基準価額(円)
純資産総額(億円)
ファンドの特色
- 現物投資に加えて先物取引を行い、投資環境に応じて現金等を含む各資産の実質的な配分比率を機動的に変更します。
- 株式への投資にあたっては、日本、米国、ドイツの株式市場を代表する株価指数への連動をめざす上場投資信託証券および指数先物に投資します。
- 国債への投資にあたっては、日本、米国、ドイツ、フランスの国債および債券先物に投資します。
- 分配対象額の範囲は、経費控除後の配当等収益と売買益(評価益を含みます。)などの全額とします。
- 分配金額については、委託会社が基準価額水準、市況動向などを勘案して分配金額を決定します。ただし、分配を行わないこともあります。
- 収益分配にあてず信託財産内に留保した利益については、特に制限を設けず、運用の基本方針に則した運用を行います。
ポイント 1
[先進国の国債(4カ国)]
[先進国の株式(3カ国)]
※株式への実質投資割合は、信託財産の純資産総額の25%以内とします。
ポイント 2
[機動的運用のイメージ]
ポイント 3
『なごみの杜』および投資対象としている資産の値動きの大きさ
※上記は、マルチアセット・ストラテジーファンド(なごみの杜)の基準価額(税引前分配金再投資後、信託報酬等控除後)
および投資対象としている資産の関連指数(トータルリターン指数)の日次収益率の標準偏差 (*) (年率換算値)を表示
しています。日本株式では「日経平均トータルリターン・インデックス」、米国株式では「Dow Jones Industrial
Average TR(現地通貨ベース)」、ドイツ株式では「ドイツDAX(現地通貨ベース)」を使用しています。国債で使用
した指数の詳細については巻末をご覧ください。
*標準偏差とは、収益率(リターン)のばらつき度合を示した数値で、価格変動リスク(値動きの大きさ)を測る指標です。
『なごみの杜』および投資対象としている資産の値動きの推移
※上記は、マルチアセット・ストラテジーファンド(なごみの杜)の基準価額(税引前分配金再投資後、信託報酬等控除後)
および投資対象としている資産の関連指数(トータルリターン指数)の値動きの推移で、同ファンドの設定日の前営業日
(2018年6月19日)を10,000円とした指数化チャートを表示しています。日本株式では「日経平均トータルリターン・
インデックス」、米国株式では「Dow Jones Industrial Average TR(現地通貨ベース)」、ドイツ株式では「ドイツ
DAX(現地通貨ベース)」を使用しています。国債で使用した指数の詳細については巻末をご覧ください。
『なごみの杜』の資産別構成比の推移
[先物取引の活用例のイメージ]
投資リスク
- ファミリーファンド方式に関する留意事項
当ファンドは、「ファミリーファンド方式」により運用を行うため、マザーファンドにおいて他のベビーファンドによる追加設定、一部解約等に伴う有価証券の売買等が行われた場合、当ファンドの基準価額が影響を受けることがあります。 - 流動性リスクに関する留意事項
当ファンドは、大量の解約が発生し短期間で解約資金を手当てする必要が生じた場合や主たる取引市場において市場環境が急変した場合等に、一時的に組入資産の流動性が低下し、市場実勢から期待できる価格で取引できないリスク、取引量が限られてしまうリスクがあります。これにより、基準価額にマイナスの影響を及ぼす可能性や、換金の申込みの受付けが中止となる可能性、換金代金のお支払が遅延する可能性があります。 - 収益分配金に関する留意事項
分配金は、預貯金の利息とは異なり、ファンドの純資産から支払われますので、分配金が支払われると、その金額相当分、基準価額は下がります。
分配金は、計算期間中に発生した収益(経費控除後の配当等収益および評価益を含む売買益)を超えて支払われる場合があります。その場合、当期決算日の基準価額は、前期決算日と比べて下落することになります。また、分配金の水準は、必ずしも計算期間におけるファンドの収益率を示すものではありません。
投資者のファンドの購入価額によっては、分配金の一部または全部が、実質的には元本の一部払戻しに相当する場合があります。ファンド購入後の運用状況により、分配金額より基準価額の値上がりが小さかった場合も同様です。 - 当ファンドのお取引に関しては、金融商品取引法第37条の6の規定(いわゆるクーリング・オフ)の適用はありません。
手続・手数料等
お申込みメモ
- ・ファンドの受益権の口数が10億口を下回ることとなったとき
- ・繰上償還することが受益者のために有利であると認めるとき
- ・やむを得ない事情が発生したとき
ファンドの費用
購入価額に 2.2%(税抜2.0%)を上限 として、販売会社が定める率を乗じて得た額とします。詳しくは販売会社にお問い合わせください。
換金申込受付日の翌営業日の基準価額に 0.05% の率を乗じて得た額を、ご換金時にご負担いただきます。
純資産総額に対し 年率0.88%(税抜 年率0.80%)以内
[信託報酬率およびその配分]
純資産総額 | 信託報酬率 <合計> | 支払先の配分 | ||
---|---|---|---|---|
委託会社 | 販売会社 | 受託会社 | ||
100億円以下部分 | 年率0.88% (税抜 流動性リスクと株価リターン 年率0.80%) | 年率0.627% (税抜 年率0.57%) | 年率0.22% (税抜 年率0.20%) | 年率0.033% (税抜 年率0.03%) |
100億円超部分 | 年率0.825% (税抜 年率0.75%) | 年率0.572% (税抜 年率0.52%) | 年率0.22% (税抜 年率0.20%) | 年率0.033% (税抜 年率0.03%) |
役務の内容 | 運用管理費用(信託報酬) =運用期間中の基準価額 ×信託報酬率 | 委託した資金の運用、基準価額の算出、開示資料の作成などの対価 | 購入後の情報提供、運用報告書など 各種書類の送付、口座内でのファンドの管理、各種事務手続きなどの対価 | 信託財産の管理、委託会社からの指図の実行などの対価 |
- ・監査法人に支払われるファンドの監査費用
- ・有価証券等の売買時に発生する売買委託手数料
- ・外貨建資産の保管等に要する費用
- ・ファンドに関する租税
- ・その他信託事務の処理にかかる諸費用 等
委託会社・その他の関係法人の概要
株式会社GCIアセット・マネジメント
信託財産の運用指図等を行います。
電話番号 03(6665)6952
(営業日の9:00 ~17:00)
ホームページhttps:流動性リスクと株価リターン //www.gci.jp/jp/
株式会社和キャピタル
マザーファンド運用に係る助言等を行います。
三井住友信託銀行株式会社
信託財産の保管・管理等を行います。
販売会社一覧
投資信託に関するご留意事項
- 投資信託は値動きのある有価証券等に投資しますので、投資元本は保証されているものではなく、基準価額の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。信託財産に生じた利益および損失は、すべて投資者(受益者)の皆さまに帰属します。
- 投資信託は、購入・保有・換金時に手数料や費用等をご負担いただくことがあります。
- 投資信託は、預金または保険契約ではないため、預金保険機構および保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
- 証券会社以外でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の保護の対象になりません。
- お申込みの際は、必ず最新の投資信託説明書(交付目論見書)で商品内容を確認の上、ご自身でご判断ください。
- 本サイトは、株式会社GCIアセット・マネジメント(以下「当社」といいます)が、当ファンドの投資判断の参考となる情報提供を目的として作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。 流動性リスクと株価リターン
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- 日本国債:
Bloomberg Asian-Pacific Japan Treasury Total Return Index Value Unhedged - 米国債(為替ヘッジあり):
Bloomberg U.S. Treasury Total Return Index Hedged JPY - ドイツ国債(為替ヘッジあり):
Bloomberg Global: Germany Total Return Index Hedged JPY - フランス国債(為替ヘッジあり):
Bloomberg Global: France Total Return Index Hedged JPY
「Bloomberg®」およびブルームバーグ債券インデックスは、Bloomberg Finance L.P.および、同インデックスの管理者であるBloomberg Index Services Limited(以下「BISL」)をはじめとする関連会社(以下、総称して「ブルームバーグ」)のサービスマークであり、株式会社GCIアセット・マネジメントによる特定の目的での使用のために使用許諾されています。ブルームバーグは株式会社GCIアセット・マネジメントとは提携しておらず、また、マルチアセット・ストラテジーファンド(愛称:なごみの杜)を承認、支持、レビュー、推奨するものではありません。ブルームバーグは、マルチアセット・ストラテジーファンド(愛称:なごみの杜)に関連するいかなるデータもしくは情報の適時性、正確性、または完全性についても保証しません。
株式会社GCIアセット・マネジメント
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第436号
一般社団法人日本投資顧問業協会 加入
一般社団法人投資信託協会 加入
流動性リスクと株価リターン
ファンド・マネジャーが積極的・戦略的に投資対象、組入れ比率、売買のタイミング等の投資判断を行い運用する手法。株式アクティブ運用では個別銘柄等に関する情報の収集・分析を行ない、魅力的な株式をファンドに組入れることにより、市場を超える収益率の確保を目的とする。一般的に売買頻度が高くなりがちであり、情報の入手や分析にも労力を要するため、取引コストや運用受託機関への委託手数料が高くなる。
⇒パッシブ運用 国内外の株式や債券、短期金融商品など様々な資産を、その資産の期待収益率、リスクなどを分析し、リスク許容度に応じ投資対象の資産配分比率を決定すること。 ポートフォリオに含まれる資産(国内外の株式や債券など)の構成割合のこと。特に中長期の投資方針のもとで策定された資産配分計画を政策アセットミックスという。 投資資産の収益率が、どれだけベンチマークの収益率を上回っているのかを示す指標。アルファ値がプラスということは、ベンチマークよりも、リターンが大きいことを意味する。 時価総額インデックスをベンチマークにすることから生じる運用上の制約をなくし、従来の伝統的アクティブ運用と比較して運用の自由度を高めた債券運用戦略を指す。「アンコンストレインド(unconstrained)」とは「制約がない」という意味であり、2007年の世界金融危機以降のグローバルな金融緩和政策による低い利回りと潜在的な金利上昇リスクに対応した債券運用戦略のひとつである。 生命保険会社が、年金基金や個人年金等から預かった保険料を一つの勘定で運用し、一定の予定利率を保険契約者に保証している(=保証利率)商品。実際の運用利回りが予定利率を上回った場合は、その一部が配当として還元される。一般勘定の保険料は国内外有価証券や不動産・貸付等に広く分散投資されている。 一般的には、同一発行体の発行する債券において、債券の残存年数に応じた金利の水準を表したもの。利回り曲線ともいう。 債券投資や預金などから生じる受取利子、株式投資の場合の現金配当、信託の結果としての収益分配金などから生ずる所得の総称。
⇒キャピタル・ゲイン 国内外の株式や債券などの市場の動向を表すために、特定のルールに基づき作成された指数。
NOMURA-BPI(日本債券)流動性リスクと株価リターン 、TOPIX(日本株式)、MSCI(グローバル株式)等、個別資産ごとにだけでなく、同一資産内であっても作成ルールの違いにより様々なインデックスが存在する。 野村證券が作成。国内債券の代表的な基準指標。 東証一部上場全銘柄の株価、支払済み配当を株式数で加重平均して算出したもの。国内株式の代表的な基準指標。 モルガン・スタンレ-・キャピタル・インターナショナル・バーラ社が、全世界株式だけでなく、「ヨ-ロッパ」、「アジア」、「エマ-ジング」、または国別といった様々な切り口の指標を作成。対象国の包括性、切り口の多様性等の点で国際株式の代表的な基準指標。 発行額および発行形態等が一定基準を満たす国債を投資対象とした場合の投資収益率を指数化したもの。国際債券投資の代表的な基準指標。 ファンドの組入れ銘柄群(ポートフォリオ)を市場のインデックス(TOPIX等)構成銘柄と同等のものにすることによって、市場と同等のパフォーマンスをあげることを目的とする運用方法。この運用方法は、市場が効率的であることを前提に、アクティブ運用でコストを支払って情報の収集・分析に努めても継続的に市場に勝ち続けることは困難であるという考え方に立っている。
インデックス運用の委託手数料は経済分析や銘柄分析等の市場見通しを行なわない分、アクティブ運用に比べて安くなる。
⇒パッシブ運用 リスクを加味した超過収益の尺度で、超過収益獲得のための効率性を示す。市場平均を上回る収益を上げるため、どれだけのリスクをとり、そのリスク1単位あたりどれだけの超過収益を上げているかを示す。 インフラ(インフラストラクチャー)とは、市民生活や産業活動を営む上で基盤となる設備や施設のことを指す(交通・発送電施設、学校、刑務所等)。インフラ投資とは、それら施設やその運営会社への出資や融資を行うことによりリターンを狙う運用手法を指す。非上場インフラや実物不動産への投資が典型的な例であり、中長期的に安定したリターン、他資産クラスとの相関性の低さ、インフレヘッジ効果を期待されるなどの特徴がある。 年金基金が、採用している個別の運用受託機関に対して提示しなければいけない運用にあたってのルール、制限等の具体的な指針。各運用受託機関が遵守すべき資産構成割合の基準および乖離幅(または資産構成についての方針)、運用手法、ベンチマーク、運用業務の報告内容・方法等を提示する。 年金基金との契約に基づき、資産運用を行う信託銀行、投資顧問会社または生命保険会社のこと。運用受託機関は、契約した年金基金に対して受託者責任を負う。 投資スタイルともいい、株式投資をおこなう際に基本となる考え方や手法を総称している。代表的な運用スタイルにはアクティブ運用とパッシブ運用があり、アクティブ運用においては超過収益の源泉の違いにより成長型(グロース)運用や割安型(バリュー)運用などがある。 エマージングとは、「新興の」、「発展段階の」という意味で、中国、インド、東南アジア、中南米、ロシア、東欧諸国など、経済新興諸国の市場のことをエマージング市場という。エマージング市場への投資は、高い経済成長率や今後の市場整備により、高いリターンが期待されるが、政治・経済の基盤が不安定であることからリスクも大きい。 ファンドの組入れ銘柄群(ポートフォリオ)を市場のインデックス(TOPIX等)構成銘柄と同等のものにすることによって、市場と同等のパフォーマンスをあげることを目的とするインデックス運用に対して、ポートフォリオをインデックスに極力合わせつつ、インデックスよりは高いリターンを目指す運用方法。通常のアクティブ運用よりもトラッキング・エラーを小さく取り、安定的なアクティブ・リターン獲得を目指すため、伝統的なアクティブ運用とパッシブ運用の中間に位置付けられる。 ある商品を、将来のある期日までに、その時の市場価格に関係なくあらかじめ決められた特定の価格(=権利行使価格)で買う権利、又は売る権利を売買する取引のことをさす。買う権利をコール・オプション、売る権利をプット・オプションという。 株式、債券などを投資対象とする伝統運用以外の投資。具体的にはヘッジファンド・商品ファンド・不動産などで、従来にない資産に代替する(=オルタナティブ)という意味でこの名称が使われている。
投資対象資産の価格が上下するリスクのこと。 国や企業の発行する債券などについて、国や企業の財務データなどを分析し、債務の履行可能性に応じ「格付」を付与している第三者の民間機関のこと。スタンダード&プアーズ(S&P)社、ムーディーズ社、日本格付投資情報センター(R&I)、日本格付研究所(JCR)などがある。 従業員の給与水準や勤続年数に応じて給付額をあらかじめ決めている年金制度。 個人があらかじめ毎月の掛け金額および投資資産を決めておき、積立金の運用成績に応じて将来の給付額が決まる年金制度。 株価を一株当たり利益で割って算出される。株価と企業の収益力を比較することによって株式の投資価値を判断する際に利用される尺度である。一般的には、市場平均との比較や、その会社の過去のレンジとの比較で割高・割安を判断する場合が多い。 PBRは、当該企業について市場が評価した価格(時価総額)が、会計上の解散価値(株主資本)の何倍であるかを表す指標であり、株価を一株当たり純資産(株主資本)で割ることで算出される。一般的にはPBR水準1倍が株価の下限であると考えられるため、下値を推定する上では効果がある。 株式の議決権を保有する投資家(株主)が、株主総会で議案に対する賛否を投票することをいう。年金基金は運用資産の利益増大を図ることを目的に、自ら議決権を行使するか、または、運用受託機関に議決権の行使を委ねる。 外貨建て資産を保有している場合において、将来のある時点に事前に決められた一定の交換レートで外貨を売り、円を買う取引を行い、為替変動に係るリスクを回避すること。一般的には、通貨の先物取引やオプション取引を行う。 流動性リスクと株価リターン 流動性リスクと株価リターン 外国為替レートの変動により、邦貨(円)ベースでの利益や損失が発生するリスクのこと。 運用において想定するリターン。投資する資金に対してどれくらいの収益を見込んでいるのかを表している。 年金基金が中長期的に維持すべき全体の資産構成割合のこと。基本アセットミクスとも言う。ポートフォリオのリターンの変動の90%以上は基本ポートフォリオによって説明されるともいわれており、運用目標の達成や資産全体のリスク管理の観点から、その重要性は非常に大きい。具体的な策定のプロセスは、年金ALMの利用により、基金財政の将来像や母体企業のリスク許容度等を把握した上で、掛金の上昇幅を最小に抑えられる等の観点を踏まえ、効率的フロンティア上より選択することになる。基本ポートフォリオは中長期的な観点から策定されるものであり、直近の市場動向等に安易に左右されるべきものではない。 従来の適格退職年金制度など確定給付年金制度と確定拠出年金制度の両方の特徴を持つハイブリッド(混合)型と呼ばれる制度。 個別証券の無リスク資産に対する期待超過収益率は、市場リターンに対する感応度により説明されることを示し、それまでリターンの標準偏差によって表されていたリスク概念に加えて、個別証券の市場全体への感応度を示すβ(ベータ)という概念を提示した。
βi:証券iのベータ E (Rm):流動性リスクと株価リターン 市場ポートフォリオの期待収益率
株式や債券といった有価証券の投資収益は、インカム・ゲインとキャピタル・ゲインの2つに大別することができる。株式等の有価証券の値動きにより投資元本(キャピタル)自体の価値が変動するが、値上がりによる収益をキャピタル・ゲインといい、反対に値下がりによる損失をキャピタル・ロスという。 流動性が低いファンド(プライベート・エクイティなど)において、ファンド組成時に投資対象を一括取得できないことから、投資の進捗状況に応じて、投資家が予め決められた期間内・出資上限の範囲内で、ファンドに対して段階的に資金提供を行うことを"キャピタルコール方式"と言う。その場合、投資ファンドが投資資金の払い込みを投資家に要求することをキャピタルコールと呼ぶ。 期初の元本と期中に追加されたキャッシュフローを全ての収益率で運用したものが期末の時価総額となるとき、この収益率を金額加重収益率という。この収益率は、キャッシュフローも含めた運用資産全体の収益率の測定に適している。しかし、キャッシュフローとそのタイミングの影響を排除できないため、計算効果が本来の運用能力とは違ったものとして計算されるためファンド・マネジャーの評価には適していない。
⇒時間加重収益率 過去における株価変動と株価変動要素(経済指標や企業財務データなど)との関係を、コンピュータを用いて数量的に分析し、その分析結果を反映したプログラムによって行う運用。プログラム作成以降の運用は、ファンド・マネジャーの相場観に影響されない。なお、クオンツ運用に対して、ファンド・マネジャーが株価、経済指標や企業財務データなどを分析し、都度、投資判断を行う運用方法はをジャッジメンタルという。 ⇒成長型運用 現代投資理論は、マーコウィッツ(Markowitz)が著した論文<Portfolio Selection>にその端を発する。それまで投資家が漠然と持っていた経験則を、統計的手法を用いて具体化し、個別証券の期待収益率・リスク(標準偏差)・相関係数から導出される効率的フロンティア等から、最適なポートフォリオを決定する方法を考案した。マーコウィッツの議論は、個別投資家による最適ポートフォリオ選択の問題であったが、これを市場全体に拡張し、市場における個別証券の均衡価格を扱う理論が、シャープ(Sharpe)・リントナー(Lintner)によるキャピタル・アセット・プライシング・モデル(CAPM:Capital Asset Pricing Model)である。 複数の契約の資金を1つの勘定で運用すること。信託銀行の年金信託や年金投資基金信託(年投口)、生命保険会社の一般勘定、第一特約がこれに当たる。合同運用では、個別契約の金額が少なくても、これらをまとめることによって、多数の資産や銘柄に投資が可能となり、リスク分散がはかれるというメリットがある。一方で、合同で運用されるため、年金基金の細かな運用ニーズには対応出来ない。 ファイナンス理論における考え方の一つで、市場で取引されるすべての証券の価格が、その時点で利用できるすべての情報をもとに瞬時に形成され、利用されていない利益機会が存在しない場合、市場は効率的であるという。 有効フロンティアとも訳される。内外の債券・株式等、複数の投資対象資産のすべての組み合わせのなかで、同じリターンならリスクの最も小さい組み合わせ、同じリスクならリターンの最も高い組み合わせ(つまり最も効率的な組み合わせ)を集めたもの。
効率的フロンティアを描くためには、過去データ等に基づく各資産のリターンとリスクのほか、相関係数が必要である。アセットミクスの合計リターンは各資産のリターンをその比率で加重平均した値となるが、合計のリスクは資産分散効果により、各資産間の相関係数に応じて低減するからである。資産分散効果を織込んだ結果、効率的フロンティアの形状は、リスクの低減を示す左側に湾曲した曲線となることが多い。 流動性リスクと株価リターン 企業統治の意味で、企業の経営を監視、規律すること、または、その仕組みのこと。 法令遵守やその体制のことをいう。運用受託機関においては、役職員の具体的行動規範や内部管理体制などが規定されている。
- 年金基金自身が運用するので、自ら望む運用を行うことができる。
- 自ら運用することでノウハウが蓄積され、より効果的に外部の運用受託機関を管理ができる(自家運用を通じて、資産運用上の重要な管理ポイントが理解できるということ)。
- コストが節約できる。
受託者(年金の制度の運営や、資産の運用などに携わる者)が果たすべき責任のこと。善管注意義務、忠実義務が重要だと考えられている。 信用リスクとは、投資先の財務状況の悪化等で、元本や利金の回収が予定通り行われないことで損失が発生するリスクのこと。クレジットリスク、債務不履行(デフォルト)リスクともいう。 ファンドが特定の運用スタイル(割安型運用、成長型運用といった投資手法)を有する場合に、そのファンドのベンチマークとなる指数のこと。 機関投資家が「顧客・受益者」の中長期的な投資リターン拡大を果たすための原則を指す。「日本版スチュワードシップ・コード」が2014年に金融庁により策定され、コーポレートガバナンス改革を「形式」から「実質」へと深化させていくため2017年5月に改訂が行われた。「日本版スチュワードシップ・コード」は、機関投資家が投資先企業と建設的な「目的をもった対話」(エンゲージメント)などを通じて、当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、中長期的な投資リターン拡大を図ることを目的とする。 TOPIXに代表される時価加重型のインデックスとは異なり、特定の財務指標や株価変動率といったデータに着目して指数化したインデックスを活用する運用戦略を指す。「ファンダメンタル指数型」「最小分散指数型」のように、着目するインデックスによりいくつかの類型がある。一般的には、中長期的に市場平均を上回るようなパフォーマンスを期待される運用戦略である。 ⇒基本ポートフォリオ 年金受給者の加入員数に対する比率、給付金の掛金に対する比率等で表された年金制度の状況。恒常的に、給付金が掛金を上回る状況であれば、成熟度は高いと見なされる。 企業の利益成長に主眼をおいて投資する手法。成長株投資ともいう。企業の競争力、商品開発力、その企業が属している業種等に着目し、一株当たりの利益成長が高いと見込まれる企業に投資する運用手法のこと。 特定のベンチマークや参考指標に対する相対的な超過収益を追及する運用とは異なり、市場のパフォーマンスに関わらず、投資元本からの絶対収益を追求する運用を指す。 「善良なる管理者が払うべき注意義務」の意で、忠実義務と並んで受託者責任の内容となる義務。受託者は年金制度全般の管理にあたって、当該職業または地位にある人として通常要求される程度の注意義務をはらう必要がある。 戦略的パートナーシップは、1つの運用受託機関に対して複数の資産科目の運用委託を行いポートフォリオの運営に関するノウハウを移転することを主たる目的として設定する戦略を指す。 2つ以上の動きの相関(関係)具合を示す数字。「相関係数=1」の場合は、全く同じ動きをするということを示す。例えば、2つの株価の動きを見た場合、相関係数が1であるということは、一方の株価が上昇した時には、もう一方も同じだけ上昇したことを表す。「相関係数=-1」の場合は、全く違う動きをするという意味になる。 利息、配当金や売買実行により発生する損益など、簿価の変動を伴う利益と未収収益(実現収益)のみを運用元本平均残高で除したもの。
⇒総利回り、修正総合利回り
生命保険会社が、積立金を一般勘定から分離し合同運用するもの。運用結果を直接的に保険契約者に還元することを目的として、一般勘定に特約を付加する形態をとる。第一特約には、複数の資産で運用する総合口と、個別の資産を合同で運用する合同運用口が設定されている。投資対象である株式や公社債の価格変動リスクは、一般勘定とは異なり年金基金が取ることになる。 第一特約と同様、積立金を一般勘定から分離し、特別勘定で運用する契約。第一特約との違いは、合同運用ではなく資産を単独で運用する点にある。また、委託者は生命保険会社との協議の上、資産の配分などを決定することができる。 運用受託機関が年金基金から委託された資金を他の資金と分離して直接投資する運用方法。年金基金独自の運用ニーズがある場合に有用。ただし、委託金額が相当な水準でない場合には、十分にリスク分散した投資が難しくなる。また、取引コストの面でもスケールメリットが享受できなくなり、合同運用が適することになる。 年金の制度の運営や、資産の運用に携わる人(=受託者)が果たすべき責任の一つ。受託者は受益者の利益のためだけに、忠実に職務を遂行しなければならない。
⇒受託者責任、善管注意義務 積立金運用の基本方針は、運用目標を達成するために最も重要な枠組みを設定するものである。運用目標、資産構成割合(または資産構成についての方針)、運用受託機関の選任・評価に関する事項、運用業務に関し遵守すべき事項等を規定する。基本方針は、運用受託機関とも相談した上で、年金基金自らの判断で策定しなければならない。基本方針は中長期的な観点から策定されるべきだが、状況の変化に応じて定期的に見直しを行なう必要がある。 個別の債券の残存年数を、各期のキャッシュフロー(クーポン、償還金)の現在価値で加重平均した値。債券の現在価値を回収する期間を示す尺度で、年で表わす(例:5.1年)。
デュレーションは金利の変化に対する価格変動性も表し、債券のポートフォリオがどれくらいのリスクをとっているかを測る基準として利用される。デュレーションの長い債券は価格変動性が高く、デュレーションの短い債券は価格変動性が低い。従って、金利の低下が見込まれる局面(→債券価格が上がる)では、キャピタル・ゲインをより多く享受するためデュレーションをベンチマークに対して長期化し、金利の上昇が見込まれる局面(→債券化価格が下がる)では、キャピタル・ロスをより少なく抑えるためデュレーションをベンチマークに対して短期化することが行われる。 株式や債券、為替など本来の商品から派生した金融商品のことで派生商品と呼ばれる。代表的なものとして、先物取引、オプション取引などがある。デリバティブは、もともとは原資産である株式や債券、為替の価格変動のリスク回避の手段として誕生しているが、今ではデリバティブ自体を対象とする投資が拡大している。 投資一任契約とは、投資顧問業者(うち投資運用業者として金融商品取引法の規定により、内閣総理大臣の登録を受けたもの)が、投資家から投資判断の全部または一部を一任されるとともに、その投資判断に基づく投資を行うのに必要な権限を委任される内容の契約のこと。 投資家との投資一任契約に基づき、投資家から金融商品への投資判断や投資に必要な権限を委任され投資を行う、または、投資顧問(助言)契約に基づき、投資判断について投資家への助言(投資判断は投資家自身が行う。)を行う者のこと。 特定の資産に限定して運用受託機関に運用を委託する方法。年金基金が、基本ポートフォリオや運用スタイルに関する投資方針を策定し、個々の資産やスタイルによって運用受託機関の巧拙を判断し委託先として採用する。運用受託機関には、資産毎のそれぞれ得意不得意があり、得意な資産の運用だけを委託することによって全体の期待リターンを高めるという手法。一方で、複数の資産を委託する手法をバランス型運用という。 ポートフォリオとベンチマークのリターンの乖離度合いを測るリスク尺度。目標であるベンチマークから乖離する可能性を表す数値で、アクティブリターンのポートフォリオとベンチマークのリターンの差の標準偏差で測定する。パッシブ運用ではトラッキング・エラーをゼロにすることを目標としている。 複数の運用受託機関の間で資産を移受管する際(新規採用、解約、シェア増減時)に、適切な資産構成割合を維持しつつ、移受管コストを最小化しようとするポートフォリオの一元的な管理手法のこと。
具体的には、単一の組織(年金基金や運用受託機関、証券会社)が変更の対象となる全運用受託機関分の構成銘柄に関する情報を把握し、移受管の計画・実行を一元的に管理することによって、現物移受管やクロス取引等の取引種類を使い分け、取引コストを最小にすることを狙う。 金融商品の売買を行おうとする際に発生する費用。売買委託手数料や税金等のほか、自らの売買行動によって取引価格が不利益な方に変動することによるコスト(マーケットインパクトコスト)、ファンド・マネジャーが投資判断を行った際の市場価格と取引が実行された際の市場価格の差(タイミングコスト)、ファンド・マネジャーが投資判断を行ったものの取引ができなかった場合のコスト(機会コスト)などがある。
ALMとは、Asset and 流動性リスクと株価リターン Liability Managementの頭文字をとったもので、資産と負債の総合管理のことを言う。年金ALMの目的は、①年金基金の財政状況の将来像を一定の前提のもとで明らかにし、②基金独自の負債構造を踏まえた最適な政策アセットミクスを見出すことにある。
- 伝統的な運用手法にとらわれず、保有していない証券を売却(空売り)したり、デリバティブを用いたりする を上回る収益率獲得を目指すのではなく、収益率自体に目標値を設定する
- 運用報酬の決め方が成功報酬体系となっている
- ファンドへの資金の出し入れのタイミングが限定されている(投資家が希望するタイミングでの投資または解約が行えない場合がある)
- 運用会社が自己資金をファンドに投資する
複数の運用受託機関等を管理するために設定される単一の信託機構で、一つの信託会社が資産の集中管理と会計報告の一元化を行う仕組みのこと。年金基金は情報管理の一元化により事務を効率化することが可能になる。 運用受託機関が、他の運用受託機関を評価選定し複数の運用受託機関を適切に組み合わせて、一つの運用として投資家に提供する運用方式。 年金資産の運用における運用機関の構成のことを指す。実際には、運用機関の構成そのものよりも、「年金資産をどのような種類(役割)の運用機関に、どのようなウェイト(資産額)で配分するかを決定すること及びそのプロセス」を示す。マネジャー・ストラクチャーの主要な目的の一つとしては、政策アセットミックスの効率的かつ効果的な実現というものが挙げられる。
通常、リスクという言葉は危険(好ましくない状況が発生する可能性)という意味で用いられるが、投資の世界で単にリスクという場合は、投資収益の振れ(ばらつき具合)を意味することが多い。過去のデータから投資収益のリスクを測る尺度の一つとして標準偏差がある。 リスク負担者が投資等のリスク負担をする際に、最大どの程度までリスクを取れるかを表す尺度のこと。
厚生年金基金のリスク許容度は基金の成熟度等(年金受給者の加入員数に対する比率、給付金の掛金に対する比率等)の基金サイドの要因と、掛金を拠出する母体企業(流動性リスクと株価リターン 設立企業)の掛金負担能力やリスクテイク(リスク負担)の意志等により複合的に決まるので、年金ALM分析によるシミュレーション等を行ないながら総合的に判断される。
一般的には、成熟度が低い基金はリスク許容度が高く、成熟度が高い基金はリスク許容度が低いといえる。 金融資産の期待収益率と無リスク金利との差。同じ投資期間内において、あるリスク資産の期待収益率が、無リスク資産の収益率を上回る幅のこと。たとえば、投資家が、株式という価格が変動するものに投資をするために、価格の変動しないものと比較をして、どのくらい見返りが大きければ、投資をする気になるのか、その度合いを表す。 市場での取引量の少ない資産の売買を行おうとする場合に、通常よりも著しく不利な価格での売買を強いられること、または売買成立に時間を要することにより損失を被るリスクのこと。 債券投資のリターンは、債券の利子収入より得られるインカム・ゲインと債券の価格変動により得られるキャピタル・ゲイン(ロス)に分かれる。イールドカーブの形状に変化がないという前提で、一定期間内に得られるキャピタル・ゲインをロールダウンといい、時間経過によりイールドカーブの傾斜に沿って利回りが下がり、債券価格が上昇することを指す。利回りの低下は債券価格の上昇を意味するため、イールドカーブが右肩上がりの形状で傾きが急になればなるほど、ロールダウン効果が高くなる。
【AB IQ】ポートフォリオのリスク管理: 多面的な視点
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
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アライアンス・バーンスタイン(以下、「AB」)でも、しばしば顧客からこの重要な問題に関し深遠な質問を受ける。過去の市場の混乱からリスク管理について何を学ぶことができるのか? リスク管理ツールの有効性はどのように測定すべきか? 特定の市場環境においてどのツールがうまく機能するのかについてはどのように判断すべきか。そして、そうしたツールを取り入れる最適な方法は?
リスク管理ツールキットの検証
1) ベータ分散ツール: 国債やコモディティなどへの投資は、株式のパフォーマンスとは異なるパターンのリターン源泉となる。そうしたベータ分散投資は、ポートフォリオのリスク調整後リターンを改善することができる。また、流動性が高いため、投資家にとってエクスポージャーの拡大や縮小が容易である。
2) 流動性の高いオルタナティブ投資: ベータ分散と同様に、ロング・ショート戦略やマーケット・ニュートラル戦略を始めとする流動性の高いオルタナティブ投資は、株式との相関度の低いリターンを生み出すよう設計されている。実際、総じてリターンの相関度は低い。流動性の高いオルタナティブ投資は、スタイル、モメンタム、バリューなど特定のリスク・プレミアムに焦点を絞るように設計することができる。また、そうした特定の効果をを増大させるために、概してレバレッジを必要としている。
3) タイミング戦略: モメンタムやボラティリティなどのタイミング・ツールは、市場全般に対するエクスポージャーを増やしたり減らしたりするタイミングに着目して設計されている。タイミング戦略には、相場上昇局面における市場への追随率や総合的なリターンに焦点を当てたリターン重視型もあれば、市場下落局面でのリスク軽減や資産保護に焦点を当てたリスク重視型もある。タイミング戦略の特性を考えれば、それを活かすためには投資プロセスは機動的で、ダイナミックなものでなくてはならない。
4) オプション戦略: オプション戦略は極端な市場の下落局面に備えるには最も信頼できるツールだが、最もコストのかかるツールの1つでもある。投資家はオプション・プレミアム(オプションを購入する価格)という形でキャリー・コストを支払わなくてはならない。プット・オプションは株価が下落した時に効果を発揮するものであるため、株式市場の急落に対しては最も確実な資産保護機能を発揮してくれる。
長期で資産運用するのであれば、結果は期待リターン(平均値)に収束していくんだから、リスクは気にしなくてよいのでは?リターンだけ追求すればよいのでは?
期待リターン(mean), 中央値(median; 流動性リスクと株価リターン μ)、中央値 ± 標準偏差 (x1, x2) のチャート (x 軸: 年数, y 軸: 成績 (対数))
A) リターン 5%, リスク 5% の場合: (html)
B) リターン 5%, リスク 20% の場合: (html)
percentile | A (risk: 5%) | B (risk: 20%) |
---|---|---|
μ + 2σ (97%) | 2.176 | 4.498 |
μ + σ (84%) | 1.874 | 2.476 |
mean (期待リターン) | 1.629 | 1.629 |
中央値: μ (50%) | 1.611 | 1.363 |
μ - σ (16%) | 1.386 | 0.750 |
μ - 2σ (2.3%) | 1.192 | 0.413 |
10 年後の中央値は、A の場合 1.611, B の場合 1.363 です。リスクが大きくなればなるほど、期待リターン(平均値)と中央値の隔離は大きくなります。
期待リターンは一部の「ラッキー」な人の影響を強く受けてしまうので、期待リターンのみを見るのはやめましょう。それはあまり意味がありません。極端なことをいえば、リスクを増やすことで、分布グラフを右に伸ばすことでいくらでも可能であり、その一方、左側はゼロ以下には伸びません。そのため、リスクを増やすことで期待リターンを 見かけ上 いくらでも増やすことができてしまいます。レバレッジをかければかけるほどリターンが高くなります。
どうして投資効率として「リターンをリスクで割る (= return / risk) 値を採用するの? リターンをリスクで引く (= return - risk)、あるいは (return / (risk)^2) とか別の計算式じゃないのはどうして?」と 一部の人は疑問に思うかもしれませんが、リターンをリスクで割るのは、決して適当な式というわけではなく、ちゃんと理論的に意味がある式です。詳しくは省略。
詳細は省きますが、中央値について要点だけここで述べておきますと、リターンを m (1.0 ベース)、リスクを s とした場合、以下の μ の値:
が中央値のよさを表すと考えればよいでしょう。この μ は大きれば大きいほどよいです。
例: リターン 5%、リスク 5% の場合:
例: リターン 5%、リスク 流動性リスクと株価リターン 20% の場合:
- μ がプラスであれば、資産運用の年数がたつにつれて、中央値は増加していきます。
- μ がマイナスであれば、資産運用の年数がたつにつれて、中央値は減少していきます(0 に近づいていきます)。
リターンが プラス (=> m が 1.0 より大きい)であっても、リスクが大きい場合は、 μ がマイナスになりえます。これは中央値の観点ではどんどん損する「マイナスサム」のゲームと考えるべきであり、そのようなゲームには決して参加してはいけません。
その他のよくある質問とその答え
インデックスファンドとしては、アメリカ株 (S&P500 や VTI)100%でよいのでしょうか? それとも、VT のように全世界株のほうがよいのでしょうか?
軽く書いておきますと、どちらを選ぼうと、大きなミスにはならないでしょう。このあたりまでくると、どちらも正解です。 99 点 vs 98 点とかそれくらいの差だと思います。
リスク資産として株式だけでなく債券も入れたほうがよいといわれたのですが?
「株式と債券」などのようにリスク資産を 2 種類以上持ち、それを組み合わせたアセットアロケーションをつくるのは、普通の人にとっては難しすぎると思います。普通の人がそれをしたからといって、結果として得られるリスク資産の全体の投資効率(シャープレシオ)が、もともとのリスク資産 1 種類(市場ポートフォリオ)の投資効率を上回ることはまずありません。
それよりは、リスク資産はシンプルに 1 種類だけにしておき、アセットアロケーションをシンプルに保ったほうがよいでしょう。簡単にリスクとリターンを把握できるし、リスク・リターンの調整も簡単です。リスクとリターンの調整は、あくまで、現金とリスク資産の割合で行いましょう。
「銘柄の組み合わせが. 」「最適なポートフォリオーを組むには株式と債券と金を. 」といった資産運用に関する記事は未だに多く見かけますが、個人で複数のリスク資産を組み合わせてポートフォリオを工夫して組む必要性はありません。そんな時代はとっくに終わっています。
いまは、全世界株等の投資信託(市場ポートフォリオ)の商品を 1 点だけかっておけば、リスク資産に関しては自然と最適なシャープレシオがよいポートフォリオになります。もともとそのためのインデックス投資であり投資信託です。最適なポートフォリオを個人でがんばって組む必要性があった時代はとっくに終わっています。
個別株ってだめなんですか?
私はインデックスよりも大きなリターンがほしいからインデックスに加えて個別株にも手を出しています。いけないでしょうか?
以下のような2つの商品 流動性リスクと株価リターン 流動性リスクと株価リターン A (インデックス)、B (ある個別株) があったとします。
「私は現金とリスク資産の比率は 50:50 にしています。ただし、A (インデックス) のリターン 5% では物足りないので、リスク資産として A (インデックス) だけでなく、リターンが 10% である B (個別株) もいれたいと思います。 A、B は同じ割合(= 全体の 25%ずつ)にすればバランスがとれているでしょう」 と考えたとしましょう。
このアセットアロケーション 「現金:A:B = 50:25:25 」 の資産全体のリターン・リスク・シャープレシオはそれぞれ:
- 資産全体のリターン: 3.75% (= 0.05 * 0.25 + 0.1 * 0.25)
- 資産全体のリスク: 8.0% (= 0.10 * 0.25 + 0.22 * 0.25) [*1]
- 資産全体のシャープレシオ: 0.47 (= 3.75 / 8.0)
B (個別株)を全く使用することなく、A (インデックス) だけを用いて、これよりも有利なアセットアロケーションを作成することが可能です。例えば、以下のようになります。
アセットアロケーション「現金:インデックス = 20 : 80 」
- 資産全体のリターン: 4.0% (= 0.05 * 0.8)
- 資産全体のリスク: 8.0% (= 0.1 * 0.8)
- 資産全体のシャープレシオ: 0.5 (= 4.流動性リスクと株価リターン 0 / 8.0)
現金の割合 | A (インデックス)の割合 | B (個別株) の割合 | 資産全体のリターン | 資産全体のリスク | 資産全体のシャープレシオ | |
---|---|---|---|---|---|---|
アセットアロケーション 1 | 50% | 25% | 25% | 3.75% | 8.0% | 0.45 |
アセットアロケーション 2 | 20% | 80% | 0% | 4.0% | 8.0% | 0.5 |
後者(アセットアロケーション 2) は前者(アセットアロケーション 1) をアウトパフォームします。
- アセットアロケーション 2 はアセットアロケーション 1 と同じリスク (= 8.0% ) [*2] にもかかわらず、高いリターン ( = 4.0% > 3.75% ) が期待できます。
- 逆にいいますと、アセットアロケーション 1 は アセットアロケーション 2 と同じリスクをとっているにもかかわらず、そのリスクに対する見返り(リターン)が少ないです。つまり「とっているリスクが割に合わない」です。
- 常に資産全体のリターンとリスクを考えましょう。
- 「資産全体で高いリターンを求めている」のであれば、ハイリスク・ハイリターンの個別株等(ただしシャープレシオはインデックスに劣る)をポートフォリオにいれるのではなく、まずは先程のアセットアロケーション 2 のように(シャープレシオが最適な)リスク資産の割合を増やすことを考慮するべきです。そのほうが、資産全体としての投資効率がよくなります。
- A 以外のものをポートフォリオに入れる必要があるとすれば、それは「A にフルインベストメント (= 現金:A = 0:100 )」よりもハイリスク・ハイリターンを求めるときのみです。ただし、そこまでリスク許容度が高い人は稀でしょう。つまり、A 以外のものをポートフォリオに入れる必要はほとんどの人にとってはありません。
- [*1] ここでは、AB の相関は無視しています。
- [*2] 「リスクが同じといっても、リスク資産がすべてなくなったときのダメージは、アセットアロケーション 2 のほうが大きいですよ!」と思わず考えてしまいますが、それは「リスク資産が瞬間的に減少する」というありえない前提にもとづいています。通常はアセットアロケーションのバランスを保つために定期的にリバランスをしますので、同じリスクを取り続けている限り、仮に資産が減るとしても、資産の減り方はどちらもほぼ同じです。
レバレッジ
アセットアロケーション的には、レバレッジは、例えば「現金:リスク資産 = -100:200」に相当します。いわゆる「負のアロケーション」を含むアロケーションです。「現金:リスク資産 = 0:100」よりもハイリスク・ハイリターンになります。ただし、コストの分だけ、投資効率は低くなります。
インデックスファンドは内部では海外の株式に投資していますが、為替リスクはどうなんでしょうか?
- S&P500 インデックスのリスクが仮に 20% (実際はこんなに高くありません)
- ドル円の為替リスクが 10%
さて、S&P500 インデックスとドル円の変動の間に相関がないとした場合、日本円で S&P500 のような(内部では)ドル建ての商品に投資する場合、日本円で考えた場合のトータルのリスクはどうようになるでしょうか?
この場合は、10% + 20% = 30% になるのではなく、22.4% になります。
つまり為替リスクの貢献度は 2.4% ほどです。為替リスクが 10%だからといって、そのまま 10% リスクが増えるわけではありません。そのため(内部で)ドル建ての商品に投資するときに、必要以上に為替リスクを恐れる必要はありません。
「今は高値だから現金を貯めておいて暴落時に買おう」はどうしてだめなのでしょうか?一見うまくいきそうなのですが。
例えばインデックスファンド 楽天 VTI を買っている人がいるとしましょう。
その人が「今は 楽天 VTI の株価は高値だから買うのは控えて現金をためておこう。暴落するときを待ってそのタイミングで買おう」という戦略をたてるとします。
「SBI 「楽天 流動性リスクと株価リターン 流動性リスクと株価リターン VTI」 を暴落時に買うファンド」
- 「楽天 VTI」 の価格が高いときには「楽天 VTI」 を購入するのではなく現金としてためておく
- 「楽天 VTI」 の価格が暴落したときに「楽天 VTI」 を購入する
となります。このファンド「SBI 「楽天 VTI」 を暴落時に買うファンド」の運用成績は「楽天 VTI」の運用成績を上回ります。
「楽天 「SBI 「楽天 VTI」 を暴落時に買うファンド」を暴落時に買うファンド」
- 「SBI 「楽天 VTI」 を暴落時に買うファンド」 の価格が高いときには「SBI 「楽天 VTI」を暴落時に買うファンド」を購入するのではなく現金としてためておく
- 「SBI 「楽天 VTI」 を暴落時に買うファンド」 の価格が暴落したときに「SBI 「楽天 VTI」を暴落時に買うファンド」 を購入する
となります。このファンド「楽天 「SBI 「楽天 VTI」 を暴落時に買うファンド」を暴落時に買うファンド」の運用成績は「SBI 「楽天 VTI」を暴落時に買うファンド」の運用成績を上回ります。
すると、今度は SBI 証券から
「SBI 「楽天 「SBI 「楽天 VTI」 を暴落時に買うファンド」を暴落時に買うファンド」を暴落時に買うファンド」
このファンド「SBI 「楽天 「SBI 「楽天 VTI」 を暴落時に買うファンド」を暴落時に買うファンド」を暴落時に買うファンド」」の運用成績は「楽天「SBI 「楽天 VTI」 を暴落時に買うファンド」を暴落時に買うファンド」の運用成績を上回ります。
さきほどは最大損失額を 50%としていましたが、インデックスファンドの価格がゼロになることはないのでしょうか?とても心配です。
つみたて NISA と 一般 NISA はどちらがお得ですか?
短く結論を書きますと、MIRR (修正内部利益率) の観点ではどちらもほぼ同じです。普通につみたて NISA でよいと思います。
投資信託をオススメしているようですが、海外 ETF を直接購入するのはどうでしょうか?
手間は気にしない、外国税額控除をきちんとするのであれば、ETF が依然としてコストの観点では若干有利です。ですが、ほとんど差がない、99 点が 99.1 点になるといった誤差レベルですので、あえて手間をかけてまで ETF を直接購入する必要はほとんどの人にとってはないでしょう。
さきほどの A さんの例だと、50%を一括で投資していましたが、それでよいのでしょうか?少しずつ分割して投資したほうがよいのではないでしょうか?
- 10%ずつ 5 年にわけて分割で投資する (ドルコスト平均法; DCA: Doller Cost Averaging)
- あるいは、50%を一括投資する (LSI: lump-sum investing)
ドルコスト平均法 | 適切な一括投資 | |
---|---|---|
1 年目 | 90:10 | 50:50 |
2 年目 | 80:20 | 50:流動性リスクと株価リターン 50 |
3 年目 | 70:30 | 50:50 |
4 年目 | 60:40 | 50:50 |
5 年目 | 50:50 | 50:流動性リスクと株価リターン 50 |
6 年目 | 50:50 | 50:50 |
7 年目 | 50:50 | 50:50 |
8 年目 | 50:50 | 50:50 |
. | . | . |
「ドルコスト平均法」は、A さんのリスク許容度が 50:50 にも関わらず、最初の 5 年間は、A さんはリスク許容度よりも圧倒的に低いリスクしかとっていません。 必要以上にローリスク・ローリターンなアセットアロケーションをとるには、合理的な理由が必要です。
このような「ドルコスト平均法」をとる人の心理は、大抵の場合、「一括投資した直後に暴落がきたらどうするんですか!」だと思いますので、試しに、今後 10 年の間に 1 年だけ暴落(-20%)が起きる、それ以外の年はリターンが 4%という場合、50%部分のそれぞれの 10 年後の成績はどうなるか見てみましょう。
- 1 年目に暴落が起きると相当得 (+0.164)
- 2 年目に暴落が起きると得 (+0.098)
- 3 年目に暴落が起きると少し得 (+0.035)
- 4 年目に暴落が起きると少し損 (-0.026)
- 5 年目に暴落が起きると損 (-0.084)
- 6 年目に暴落が起きると損 (-0.084)
- 7 年目に暴落が起きると損 (-0.084)
- 8 年目に暴落が起きると損 (-0.084)
- 9 年目に暴落が起きると損 (-0.084)
- 10 年目に暴落が起きると損 (-0.084)
- .
の資産運用をできる機会があったとしましょう。この際に、適切な一括投資ではなく、たとえば 5 年間に渡って分割投資・ドルコスト平均法を選択するということは、「500 万円」x「5 年間」の資産運用ができる機会があったにもかかわらずその機会を自ら捨てて:
- 「(平均して)250 万円」x「5 年間」
- (別の見方をすれば)「500 万円」 x 「(平均して)2.5 年間」
ちなみにアセットアロケーションを無視すれば「一括投資 vs ドルコスト平均法」は極論すれば、 期間内において、その部分のみに注目した場合:
- 「現金:リスク資産 = 0:100」(ハイリスク・ハイリターン)
- 「現金:リスク資産 = 50:50」(ローリスク・ローリターン) (期間内の平均。期間後には 0:100 になっていることに注意)
アセットアロケーション全体のリスク許容度を無視して、「一括投資 vs ドルコスト平均法」の優劣を部分的に論じるのは無意味です。
例: 現状維持バイアスによる「ドルコスト平均法の呪い」
A さんは、長年資産運用を続けてきました。現在の資産は、現金:リスク資産 = 500 万円 :500 万円 です。
さて、ここで次の 流動性リスクと株価リターン 2 通りのケースを考えてみましょう。
- A さんは相続(あるいは贈与等)で 1000 万円の 現金 を手にいれました。
- A さんは相続(あるいは贈与等)で 1000 万円分の 株 を手にいれました。
A さんのリスク許容度はいぜんとして、現金:リスク資産 = 50:50 です。それぞれのケースにおいて、 A さんはどのようなアセットアロケーションにするのがよいでしょうか?
この 2 通りのケースに対して、もしあなたが:
「1000 万円の 現金 を手にいれました」 の場合:
「1000 万円の半分の 500 万円を投資に回したい。ただし、一括投資した直後に暴落する「リスク」を避けるため、500 万円は 5 年にわけて分割投資しよう」と考えるのであれば、
現金:リスク資産 | |
---|---|
贈与前 | 500:500 |
贈与直後 (+ 現金 1000) | 1500:500 |
1 年目 | 1400:600 |
2 年目 | 1300:700 |
3 年目 | 1200:800 |
4 年目 | 1100:900 |
5 年目 | 1000:1000 |
「1000 万円分の 株 を手にいれました」 の場合:
「リスク資産が多すぎるので、贈与された 1000 万円分の株のうち 50%は売却しよう。ただし 500 万円分を一括で売却した直後に株価が暴騰したらもったいない。その「リスク」を避けるため、は 5 年にわけて分割して売却しよう」と考えるのであれば、アセットアロケーションは次のようになるでしょう。
現金:リスク資産 | |
---|---|
贈与前 | 500:500 |
贈与直後 (+ 株 1000) | 500:1500 |
1 年目 | 600:1400 |
2 年目 | 700:1300 |
3 年目 | 800:1200 |
4 年目 | 900:1100 |
5 年目 | 1000:1000 |
さて、この辺りで、自分の矛盾に気づいたと思います。前者と後者で 5 年間アセットアロケーションが異なっています。本来、違うアセットアロケーションを選択する必要性はどこにもありません。どちらの場合も、総資産額は 2000 万円であり、リスク許容度は同じです。いずれの場合でもアセットアロケーションは同じであるべきです。
もし、あなたが、このような 2 通りの場合に、違うアセットアロケーションを選択してしまっているのであれば、それは、おそらく現状維持バイアス・ドルコスト平均法の呪いにとらわれているということです。現状(今回の場合は贈与直後の現金:リスク資産の比率)にとらわれすぎると、正しいアセットアロケーションをとる妨げになるということですね。
現金:流動性リスクと株価リターン リスク資産 | |
---|---|
1 年目 | 1000:1000 |
にすぐにすることです。すわなち、1000 万円分の現金を贈与されたときは 500 万円をすぐに一括投資、1000 万円分の株を贈与されたときは 500 万円を一括売却するのが合理的です。
ドルコスト平均法はだめなんでしょうか?私は給料の中から毎月 3 万円つみたてしているのですが!
大丈夫です。それはおそらくですが「ドルコスト平均法」ではありません。ドルコスト平均法は「つみたて」(continuous, automatic investment)とは違います。
「つみたて」でしたら、なんの問題もありません。それはある意味、1 年に 12 回、「一括投資」しているものです。
いつ売却すればよいのでしょうか?ここまでの説明だと買うことばかりで、いったいいつ売却(利益確定)すればよいのかわかりません。
定期的に(年に 1 回、あるいは数年に 1 回)、アセットアロケーションについて見直 しましょう。
例えば、65 歳まで 現金:リスク資産 = 50:50 の割合で資産運用をしてきた人がいるとしましょう。
現金 | リスク資産 |
---|---|
1,500 万円 | 1,500 万円 |
さて、3 年後にはこうなりました。現金は 200 万円減りますが、資産運用は続けていますので、リスク資産は 1700 万円に増加しています。
現金 | リスク資産 |
---|---|
1300 万円 | 1,700 万円 |
どうやら、バランスがいつの間にか悪くなっているようです。アセットアロケーションを 50:50 に戻すために、リスク資産を 200 万円分売却することにします。
現金 | リスク資産 |
---|---|
1500 万円 | 1,500 万円 |
これで 50:流動性リスクと株価リターン 50 になりました。
- 利益確定のために売却する必要はありません。「利益確定」という概念は捨てましょう。資産運用は一生続くものだと考えましょう。
- 売却する必要があるのは、アセットアロケーションのバランスを保つときだけだと考えましょう。
定期売却サービス
出口戦略: 私は定年まではインデックス投資で資産を増やし、定年前後には高配当株に乗り換えて配当金生活を送る予定です。この戦略はどうでしょうか?
そうはいっても配当がもらえるって嬉しいじゃないですか!高配当株はだめなんですか?
それは「給料は銀行振込で 20 万円振り込まれるよりも、現金で 19 万 9000 円直接手渡しされるほうが嬉しいです!」という発想とたいして変わらないと思います。
ロボアドバイザーってどうなんでしょうか?
市場ポートフォリオ(インデックスファンド)に勝てる方法はなにかないんですか?
じゃんけんに例えるなら、相手は何も考えずにランダムに 1/3 の確率で「グー」「チョキ」「パー」を出してくる戦略です。「じゃんけんの世界チャンピオン」でさえ、この戦略に勝てることはないでしょう。しかも相手はどの手をだすか悩まなくてよい(= コストが低い)ので、この戦略に勝とうと考えれば考えるほど、考えたぶんだけコストがかかってしまい、結局はコストの差で勝てません。
1 年 2 組の全員が、1 年 2 組のクラスの平均点よりも上の点数をとれる方法はありません。
資産運用ってもっと一攫千金の夢があるものだと思っていました!
この記事のタイトルにあえて「70 点」などの謙遜した点数ではなく「99 点」とつけたのは、下手に「70 点」とかつけてしまうと「もっと 100 点をとれるようなよい方法があるのではないか?」と思わせてしまうのはよくない、と思ったからでした。そのような人はえてしてぼったくり商品に騙されしまうでしょう。
【評価】eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の利回りは?初心者の積立におすすめ?
2022年4月の月次レポートをもとに作成
幅広い業種に分散投資をすることで、特定の業界の株価が急激に下がっても影響を抑えることができます。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の基準価額推移【チャート】
出典:2022年4月の月次レポート
基準価額は設定日から現在までの4年間で約2倍になっていて、 長期的には右肩上がりに推移している ことが分かります。
実は、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)のパフォーマンスはS&P500指数よりも少し上振れています。
出典:Yahoo!ファイナンス
米国の株式に投資し、S&P500指数(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果をめざして運用を行います。原則として為替ヘッジは行いません。
つまり、 記録的な円安になっている今、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は株式のリターンに加えて為替差益を基準価額に反映している のです。
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eMAXIS Slim米国株式(S&P500)はおすすめ?【比較】
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | Smart-i S&P500インデックス | iFreeS&P500インデックス | つみたて米国株式(S&P500) | |
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運用会社 | 三菱UFJ国際投信 | SBIアセットマネジメント | りそなアセットマネジメント | 大和アセットマネジメント | 三菱UFJ国際投信 |
純資産額 | 11,384.26億円 | 5,292.8億円 | 43.13億円 | 539.61億円 | 24.51億円 |
信託報酬 | 0.0968% | 0.0935% | 0.2420% | 0.2475% | 0.22% |
つみたてNISA | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
トータルリターン(年率) | 18.85% | 18.69% | 18.26% | 18.67% | 18.71% |
SBI証券の情報を元に、2022/5/12に作成
そして、純資産額ではeMAXIS Slimが圧倒的な規模であることが一目瞭然ですね。
手数料も安く、純資産額も大きいため、 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は投資初心者におススメと言えます ね。
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